鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST AMESTRIS CENTRAL NEWS - アメストリス セントラル ニュース -

vol.001

リオールにて、
大規模な暴動
が発生

 

 

【セントラル時事通信東方支局】


東部の小都市・リオールにて、住人による大規模な暴動が発生。現在、軍により一時的に危険地域に認定され、事態の終息が図られているものの、いまだ不安定な状況にある。

   

今回の暴動の裏には、
政情不安が背景か


宗教問題に詳しい社会評論家グレッグ・マッキャネン氏の話「今回の暴動の裏には、東部方面の政情不安が背景にある。そこで生まれる不安を癒そうと、人々が宗教に救いを求めるのは、いたし方ないこと。当然、そうした人々の心の隙につけこもうとするニセ教団も後を絶たない。なによりもまず、そうした不安を取り除くことが、政府および軍の急務と言えます」


 暴動が発生したのは、同日の夕方頃。暴徒の多くは、町の中心部にある教会に向かって殺到。当地で信仰されているレト教の教主・コーネロに対し、数時間にわたり抗議活動が行われた。また今回の騒動にともない、周辺の商店や住宅にも被害が出ている模様。

 

 

 

 

「レト教」とは、数年前からリオール近郊を中心に、急速に台頭してきた新興宗教のひとつ。「レト」とは、古くからこの地に伝えられる太陽神のことを指し、信仰による救済と永遠の魂、そして死者の復活を唱えて、住民たちから大きな支持を得ていた。コーネロ教主自身、教会前の大広場に姿を現し「奇蹟の業(わざ)」を見せることも、たびたびだったという。

 

 

また日に数度、教主による“ラジオ説法”が行われており、その声に耳を傾ける住民たちの姿は、リオールの新しい風物詩のひとつにもなっていた。

 今回の事件の直前には、そのラジオ放送を通して、コーネロ教主自らが教団の内部を暴露したとの目撃情報もあり、それが暴動の引き金を引いたとの見方もある。
 暴動は数時間で沈静したものの、事件後、レト教の教主であるコーネロの消息は、いまだ掴めていない。また、事件の前後にリオールの町で、「鋼の錬金術師」を名乗る鎧姿の人物が目撃されているが、今回の事件とどのように関わりがあるのか、詳しいことはわかっていない。

 

 現地で暴動鎮圧にあたっていた兵士のひとりに話を聞こうと試みたものの「ノーコメント、君も早くここを立ち去りなさい!」と、取り付く島もなかった。先日、セントラルで発生した、テロ未遂事件とそれにともなう大規模停電の件もあり、政府および軍による詳しい調査と早急な発表が待たれるところである。